修学旅行・校外学習ワークブック京都編

修学旅行・校外学習ワークブック京都編 page 10/24

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京料理は平安時代の貴族の宴会料理の「大だい饗きょう料理」にはじまり、肉や魚を使わない寺院の「精しょう進じん料理」、武士の儀式のための「本ほん膳ぜん料理」、茶さ道どうから生まれた「懐かい石せき料理」、庶....

京料理は平安時代の貴族の宴会料理の「大だい饗きょう料理」にはじまり、肉や魚を使わない寺院の「精しょう進じん料理」、武士の儀式のための「本ほん膳ぜん料理」、茶さ道どうから生まれた「懐かい石せき料理」、庶しょ民みんの家庭料理「おばんざい」などが互いに影響しあい、長い年月を経へてできた。季節感を大切にし、素そ材ざいの味を最大限に生かすために味付けは薄うす味あじ。盛もりつけの器にまで心配りを忘れない日本料理の代表。 山に囲まれた盆地の食文化を支えたのは、春の「京たけのこ」、夏の「賀か茂もなす」、冬の「九く条じょうねぎ」など、独特の風土で育はぐくまれた野菜で、京野菜として親しまれている。 日本海や瀬戸内海でとれた海の幸さちは、塩しお漬づけや干ひ物ものなどに加工されて京都に運びこまれた。京都の名産・鯖さばずしは、若わか狭さ湾わんでとれた新鮮な鯖に塩をふり、鯖街道を一気に京都まで運んでつくられた。 京都の酒づくり、豆腐、湯ゆ葉ば、麩ふづくりは、豊富な地下水によって育まれてきた。伏見の酒はその代表で、京料理の調味料としても重宝されている。京都を訪れる観光客が魅力を感じるのは古い寺や神社だけではない。にぎやかな大通りから一ひと筋すじ入ると古い町並みが残っているところがたくさんある。江戸後期から大正時代に建てられたこれらの家は、京町家と呼ばれている。 応おう仁にんの乱後の京都は、豊臣秀吉の都市改造によって、二条を境とする上かみ京ぎょうと下しも京ぎょう(現在の中京区と下京区)の自じ治ち都市に分かれ、上京の御所付近には公家や武家の屋敷町ができ、北西寄りには織物を主とする職人町ができた。下京は活気ある商工業地で、祇園祭でその繁栄ぶりを見せる町まち衆しゅうのエネルギーあふれる町となった。 「うなぎの寝ね床どこ」と呼ばれる間ま口ぐちが狭く細長い奥行きの建築様式は、京町家に共通するものだが、場所によってそれぞれ雰ふん囲い気きが違うので、その違いを比較しながらまわるのも面おも白しろい。また、町家をめぐりながら、京都に昔から伝わる知恵や生活習慣(打ち水、門かど掃はき)など、京都人の美意識などをさぐってみるのはどうだろうか。ーマ生活文化を訪ねる食べ物町家22京ことばは古くから使われている独特なことばで、のんびりとしたテンポで耳に心地よい、やわらかな響きがある。ものごとをはっきりさせず遠まわしな言いかたをしたり、同じことばをくり返したりするのが特徴。大きく分けて「町方ことば」と「御ご所しょことば」の2つに分かれる。 「町まち方かたことば」は、西陣の職人さんが使う「職人ことば」、室町の着物関係などの商家で使う「中なか京ぎょうことば」、祇園などの花か街がいで使う「花街ことば」、八瀬・大原など京都近郊の農家で使う「農家ことば」がある。「御所ことば」は宮きゅう中ちゅうや宮みや家けで使われた公く家げ文化独特のことば。京ことば「おいでやす」…いらっしゃいませ「おこしやす」…いらっしゃいませ(「おいでやす」より        ていねい)「おーきに」…ありがとう「おきばりやす」…がんばってください「はばかりさん」…ごくろうさま「おしまいやす」…こんばんは「おやかまっさん」…おさがわせしました、お邪じゃ魔ましました「おまっとさん」…お待ちどうさま「おはようおかえり」…行ってらっしゃい「かんにんえ」…ごめんなさい「かなんなぁ」…困ったなあ、いやだなあ「ごめんやす」…ごめんください「そうどすえ」…そうですよ「そうやおへん」…そうではない「よーいわんわ」…思いもよらず情けない●京ことばをもっと知りたい人のための本 『京ことば玉手箱』(ユニプラン発行) 『京ことば京存京英辞典 OKINI』(ユニプラン発行) 『京ことばまめ辞典』(京都の史跡を訪ねる会発行)※インターネットには、「京ことば」の楽しいサイトがいろいろある。・Kyoto Shimbun「京ことば」:市いち田だひろみさんの京ことばが聞ける。・京ことば翻訳機:標準語を京ことばに自動変換してくれる。