杉家の女たち

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寅次郎は思いのほか元気そうだった。「ああ、在獄中はお前にもいろいろ世話になったな。これからは夫と舅に尽くし、....

寅次郎は思いのほか元気そうだった。「ああ、在獄中はお前にもいろいろ世話になったな。これからは夫と舅に尽くし、萬吉を立派な大人に育て上げるんだぞ」寅次郎が手紙と同じような内容を口にしたので、千代の心にちょっとしたいたずら心が芽生えた。「牢獄の中でも、そんな女の修身を説かれていたのですか?」「えっ?」「高須久子というお方と、随分仲良く交流されておられたとか。さぞ、身持ちの堅い賢婦でいらっしゃったのでしょうね」「な、何をばかな」寅次郎はしどろもどろに言って、耳まで赤くなった。千代はそんな寅次郎を見て、少しいじめ過ぎたかな、と反省したのだった。松102