杉家の女たち

杉家の女たち page 17/18

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そう言われると、文は二の句が継げなかった。玄瑞の言う通りかもしれないと思った。敏三郎の....

そう言われると、文は二の句が継げなかった。玄瑞の言う通りかもしれないと思った。敏三郎の方を見やると、性格の優しい彼は、文に心配をかけたことに対する申し訳なさを、表情いっぱいに表していたが、その底には玄瑞と過ごした充実した時間への満足感が透けて見えるように思えた。玄瑞は、文と自分との結婚に関しては一切触れなかった。文も敢えて問わなかったが、この時、文は初めてこの男との結婚を現実のものとして受け止めることができたような気がした。松下村塾113