戦国の女

戦国の女 page 3/22

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3た役割は、決して小さくはなかった。しかも、政略結婚の性格上、心揺さぶられる悲劇的な話(伝説)には事欠かない。彼女たちの足跡を追うことで、各氏が勢力拡大、あるいは生き残りに向けて、どのように合が っ従....

3た役割は、決して小さくはなかった。しかも、政略結婚の性格上、心揺さぶられる悲劇的な話(伝説)には事欠かない。彼女たちの足跡を追うことで、各氏が勢力拡大、あるいは生き残りに向けて、どのように合が っ従しょう連れ ん衡こ う(同盟と対立)を繰り返していったかを、意外な角度から概観できるはずである。一方、結婚して後継ぎを産むのが主な仕事であった多くの戦国女性の中にあって、嫁にも行かず、婿も取らず、生家のために自ら当主となって、政務を捌さ ばいた女性がいた。それが、後半に「物語」の形で取り上げた井い伊い直なお虎と らである。彼女は、かつての許い い嫁なずけの子・虎と ら松ま つ(井伊直な お政ま さ)を預かり、家康の天下取りになくてはならない武将にまで育て上げる。直虎の生涯が、当時の女性としていかに凛り々りしく、能動的なものであったか、前半に登場する女性たちのそれと対比していただければ、明白であろう。もっとも、男女間に生じる感情は、時代に関わらず普遍的なものがある。戦国の女性たちの生きざまに触れながら、今とかけ離れているようで、何処か似ている戦国という時代に、思いを馳せていただければ幸いである。