戦国の女

戦国の女 page 21/22

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21武田氏しかし、その時三条夫人はもうこの世にいなかった。元亀元年(一五七〇)七月二十八日、彼女は五十年の生涯を終えていたのである。もっとも、武田氏の全盛期に世を去ったわけで、近....

21武田氏しかし、その時三条夫人はもうこの世にいなかった。元亀元年(一五七〇)七月二十八日、彼女は五十年の生涯を終えていたのである。もっとも、武田氏の全盛期に世を去ったわけで、近い将来に訪れる同氏の滅亡を見ずにすんだことは、彼女にとって、むしろ幸せだったといえるかもしれない。武田氏最後の当主・勝頼の生母諏訪御料人(一五三〇~一五五五)諏す訪わ御ご料りょう人にんが武田信玄の側室に入ったのは、天文十四年(一五四五) 頃のこととされる。すでに信玄は、父・信虎から武田氏当主の座を奪い取っていた。天文十一年(一五四二)に信濃国の戦国大名・諏訪頼よ り重しげを滅ぼした信玄は、その娘である彼女を娶ったのである。信玄二十五歳、諏訪御料人は十六歳前後だった。諏訪氏は、信虎の時代に武田氏と同盟関係を結び、天文九年(一五四〇) には、信虎の三女・禰ね々ね御料人が頼重の元に嫁いでいたが、翌年、信玄が信虎を追放し当主の座につくと、武田氏は信濃侵攻を本格化させ、諏訪郡にも出兵した(禰々御料人は息子・寅と ら