戦国の女

戦国の女 page 12/22

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12信玄を産んだ武田信虎の正室大井の方(一四九七~一五五二)武田信の ぶ虎とら(一四九七~一五七四) は、武田氏十七代当主・武田信の ぶ縄つなの嫡男として生まれ、永え い正しょう四年(一五〇七)、父の死に伴....

12信玄を産んだ武田信虎の正室大井の方(一四九七~一五五二)武田信の ぶ虎とら(一四九七~一五七四) は、武田氏十七代当主・武田信の ぶ縄つなの嫡男として生まれ、永え い正しょう四年(一五〇七)、父の死に伴って、十四歳で武田氏十八代当主となった。その頃、武田氏は甲か斐い国内の国く に衆しゅう対策に苦慮していた。国衆とは国人領主とも呼ばれ、戦国大名に従属する小領主のことである。国衆の一つ大井氏は、武田氏の同族であったが、永正十二年(一五一五)、当主・大井信の ぶ達さとが武田氏に反旗を翻ひるがえしたため、信虎はこれを制圧、その結果として永正十四年に娶め とったのが、信達の娘・大井の方だった。信虎二十四歳、新婦二十一歳。大井の方は、父が屈服した相手に、いわば人質として輿こ し入いれさせられたのであった。翌年、信虎は本拠を八や つ代しろ郡石い さ和わ荘(石和館) から甲府に移し、居館・躑つ つじ躅ヶが崎さき館やかたの建設を始める。ここでも信達は、甲府への移住の命に反発、再び信虎と敵対するが、永正十七年(一五二〇)、今い ま諏す訪わの合戦で信虎に敗れ、隠居を余儀なくされた。その後は、大井の方の兄・信の ぶ業なりが大井氏の家督を継ぎ、武田氏に臣従している。実家の不祥事にもかかわらず、大井の方は離縁されることも、処罰されることもなかっ