龍馬おもしろばなし百話

龍馬おもしろばなし百話 page 19/20

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21一 龍馬のルーツとエピソードし、これは長刀の伝書である。北辰一刀流には「水玉」「黒龍」など長刀の形も多くあった。長刀は「なぎなた」と読む。龍馬にあたえられた伝書は、ほかに小栗流の伝書三巻が、今に残っ....

21一 龍馬のルーツとエピソードし、これは長刀の伝書である。北辰一刀流には「水玉」「黒龍」など長刀の形も多くあった。長刀は「なぎなた」と読む。龍馬にあたえられた伝書は、ほかに小栗流の伝書三巻が、今に残っている。小栗流は、和術(柔術)を表芸にした総合武術で、朝比奈丹左衛門という人から土佐に伝えられた。龍馬は十四才の時、日根野弁治に入門して、この小栗流を修めた。日根野弁治の道場で、もっぱら稽古をつけてやったのは、土居楠五郎という師範代であった。この人の名は余り知られていないが、口碑(言い伝え)によると柔弱な少年時代を送った龍馬は、この土居楠五郎に稽古をつけて貰うことが、無上の楽しみとするようになったという。しかし楠五郎も、龍馬一人を相手にしているわけにいかないから「もう一本」と龍馬がしつこく手合わせを求めると、面倒くさくなって、体当たりをくらわせたり、襟首をつかんで引き倒したりした。が、龍馬は起き上がって「もう一本」と立ち向かっていったそうである。龍馬は、しぶとい男だったようである。 龍馬が果たして、どれほどの剣を使ったかは分からない。史伝では、龍馬は、人を一人も斬ってはいない。近江屋の斬り込みの時も、床の間の“吉行”、二尺二寸を抜き放つ暇も無く、凶刃に倒れた。寺田屋で、ピストルで対戦したように、剣より近代的武器の利用を考えていたのだろうと思われる。7龍馬の刀剣趣味 龍馬には一つの趣味があった、「刀剣趣味」である。こう書くと不思議に思う人がいるかもしれないが、武士は皆、腰に大小を差しているのだから、刀剣の趣味なら武士なら誰でもあったと思われる。現代の我々が考えるのと、事実は大分違うのである。江戸時代の武士だからといっても、刀剣に深い知識や関心があった訳で