京都幕末おもしろばなし百話

京都幕末おもしろばなし百話 page 13/20

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35 幕末女性群像8お虎―西郷どんと仲が佳かった祗園の豚姫 西郷隆盛(1828 ?1877)が二度目の島流しを赦免されてから維新まで、幕藩体制最後の時期は、西郷は京に上り薩藩随一の実力者として各方面の人物と折衝、応....

35 幕末女性群像8お虎―西郷どんと仲が佳かった祗園の豚姫 西郷隆盛(1828 ?1877)が二度目の島流しを赦免されてから維新まで、幕藩体制最後の時期は、西郷は京に上り薩藩随一の実力者として各方面の人物と折衝、応対しつつ倒幕への道を歩んでいく。政治的駆引き、取引にあたって女のはべる酒席が不可欠とされた。この時代、彼は上から下まで絹ずくめの服装で持ち物の末まで凝っていたらしい。隆りゅうとした「いでたち」で柳りゅう暗あん花か明めいの巷を流し、女たちの嬌声にまとわりつかれた時もあった。西郷の女性関係について勝海舟の証言がある。「例の豚姫の話があるだろう。豚姫というのは祇園で名高い話だ。豚のように肥えていた茶屋の仲居だ。この仲居が西郷にひどく惚れて、西郷もこの仲居を愛していたよ。しかし、今の奴らが茶屋女とくっつくのとはわけが違っている。どうとも言われぬ佳い所があったのだ。」 この豚姫は本名「お虎」、料亭「奈良富」の仲居で西郷と関係が出来て名高くなった。ここが西郷の西郷なるところで、皆は美妓、名妓をマークするのに彼は「豚姫」といわれる女性を選ぶのだ。このお虎は人柄のよい女で西郷と気が合ったのだろう。慶応4年(1868)2月大総督府参謀として東上の際、進発のその幕末の恋、愛人たちと花街西郷菊次郎西郷隆盛