黒田官兵衛の行動原理

黒田官兵衛の行動原理 page 7/22

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5 まえがき 最近の若者は、打たれ弱くなったとよく言われる。引き籠もり、ニート、草食系、新型うつなど、彼らに纏わるネガティブな言葉は枚挙に暇がない。 能力主義や成果主義がもてはやされ、リストラやイジメが....

5 まえがき 最近の若者は、打たれ弱くなったとよく言われる。引き籠もり、ニート、草食系、新型うつなど、彼らに纏わるネガティブな言葉は枚挙に暇がない。 能力主義や成果主義がもてはやされ、リストラやイジメが横行する、何かと生きにくい世の中であるのは事実だろう。上のような消極姿勢も、そうした社会環境への彼らなりの適応方策なのかもしれない。 しかしながら、歴史を振り返れば、今とは比較にならないぐらい危険に満ちた、生きづらい時代がいくらもあった。血で血を洗う戦国時代などはその典型だろう。 じっさい、多くの戦国武将が戦や下克上により、志半ばで命を落としている。 そんな戦国の世、播磨の小武家に生まれながら、信長、秀吉、家康を向こうに回し、軍師としてしたたかに生き抜いた武将がいた。それが本書の主人公、黒田官兵衛だ。 したたかにといっても、何も格別の偉丈夫であったわけではない。武士なのに武術が苦手で、人殺しを好まず、ために知謀を駆使して、むしろひょうひょうと戦国社会を泳ぎ切ったという印象である。形勢が悪くなると、隠居したり剃髪したり。そのくせ隙あらば天下を乗っ取ってしまおうとする、一筋縄ではいかない男。 官兵衛の行動範囲は、近畿に始まり、中国、四国、九州、関東、さらには朝鮮半島にまで及んだ。本書は、その足跡を辿りながら、彼の行動原理をあぶり出そうと試みたものである。世知辛い現代を打たれ強く生きるための極意が、そこに潜んでいることを期待しつつ……。