平清盛伝京都源平地図本

平清盛伝京都源平地図本 page 5/26

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清盛が深い関わりをもった安芸宮島の厳島神社じっきんしょう情け深い面もあって、『十訓抄』には、最下層の者でも、その縁者の前では一人前に扱ったので、大変喜ばれたと記されている。やがて、父・ばっこ忠盛ととも....

清盛が深い関わりをもった安芸宮島の厳島神社じっきんしょう情け深い面もあって、『十訓抄』には、最下層の者でも、その縁者の前では一人前に扱ったので、大変喜ばれたと記されている。やがて、父・ばっこ忠盛とともに瀬戸内海に跋扈する海賊を平定し、退治した海賊らを家来にして一大勢力を形成するまでになる。あるいは、ジョニー・デップばりのイケメン武士だったのかもしれない。清盛の夢は、さらに海の向こうの朝鮮半島、にっそう中国大陸にも及び、日宋貿易を実現させて莫大りゅうせいいしずえな富を手に入れる。こうして平家隆盛の礎は築かれたのだった。らく白河法皇の落いん胤説実は、清盛は忠盛の子ではなく白河法皇の落とし子だった、と『平家物語』は暴露している。ぎおんにょうある五月雨が降る夜、白河法皇が愛人の祗園女ごぎおんしゃ御を訪ねようと、祗園社(八坂神社)に通りかかったとき、光る化け物のようなものに出くわした。ずいこう法皇は、随行する武士に退治するように命じるが、その武士は冷静に観察して、化け物に見えとうろうたものが、実は灯籠に火を付けようとしていた老法師であることに気付く。法皇は、無用の殺生をせずにすんだことをた八坂神社内にある忠盛灯籠(P34)いそう喜び、ほうびとして、その武士に最愛のかし妃である祗園女御をあっさりと下賜してしまった。このとき、祗園女御は法皇の子を身ごもっていて、やがて男子を出産する。女御を賜たわまった武士が忠盛で、生まれてきた男子こそが清盛という訳である。祗園女御の邸宅跡付近に立つ祇園女御塚(P34)清盛は、若くして異例の出世を果たす。12歳じゅごいひごのかみあきのかみで従五位下、20歳で肥後守、34歳で安芸守とふじわらのむねただなり、右大臣・藤原宗忠が「人耳目を驚かすか、きょうがく言ふに足らず」と驚愕したほどであった。こうしたスピード出世が許されたのは、やはり白河法皇の落とし子であることが、公然の秘密として朝廷内に知れわたっていたからかもしれない。5